2025/01/14
新春正月は『書き初めと初詣』天神社
初春の実技演習は芸術書道実習でスタート
新年あけましておめでとうございます。2025年(令和7年)の実技演習は芸術・書道実習で仕事始めです。書き初めは平安時代の宮中行事を起源とし、元日の朝に初めて汲んだ水(若水)で墨をすり、新年の縁起のよい方角(恵方)に向かって祝賀や詩歌を書いていたことに由来します。今年の書き初めは鈴なりの生徒たちで、千客万来、万福招来の盛況です。
書体は自由、課題も自由、和紙を二種類準備、筆を縦横無尽に走らせて、素敵な書を描いてください。今年の干支は『乙巳(きのとみ)』努力を重ね、物事を安定させていくという意味を持つ年とされています。前回の1965年(昭和40年)は我が国の高度経済成長『いざなぎ景気』が始まった年で、脱皮を繰り返しながらが成長していく巳年に相応しい年でした。
また、飛鳥時代の645年(皇極天皇4年)は、中大兄皇子(後の天智天皇)中臣鎌足らが蘇我入鹿を宮中で暗殺し、敗北を悟った大臣蘇我蝦夷は甘樫丘の館に火をかけて自決、栄華を誇った蘇我氏宗家が滅亡した日本古代史の大事件『乙巳の変』が勃発、大化の改新が始まった重要な年でもあります。ここで作品が完成したようですので作品発表会を行いましょう。
特別活動『初詣』大和高田の氏神天神社
新春の書き初めを終えた学院一行はここから合流するメンバーを加え、JR高田駅前の『天神社』初詣に出発です。夏は蒸し暑く、冬は底冷えのするのが奈良大和路、この日は西高東低の気圧配置が強まり、強風に小雪が舞う厳寒の参拝となりました。天神社までは徒歩僅か10分の道程ですが、真夏には逃げ水の見えていた同じ道を寒さに震えながら進みます。
天神社の創建は天神宮縁起書によれば第十代崇神天皇の時代と伝えられ、現存する本殿の最も古い練札は鎌倉時代初期、1222年(貞応元年)のもので、2022年(令和4年)造営八百年を盛大に祝いました。主祭神には高皇産霊神(たかみむすびのかみ)神皇産霊神(かみむすびのかみ)津速産霊神(つはやむすびのかみ)の造化三神をお祀りしています。
造化三神は高天原に最初に現れた神々で、天地創造を行い、宇宙の根源とも言われ、古事記や日本書紀にも登場します。特に高皇産霊神は天照大御神を助け、天孫降臨や神武天皇の東征に深く関わった神様として知られています。古事記には高皇産霊神が神武天皇の道案内役として、八咫烏(やたがらす)を遣わす記述もあり、最も重要な神であることが伺えます。
学院長『玉串奉奠』卒業式以上の緊張感
飛鳥時代以降、天皇中心の国家体制が意識されるようになると、国生みの神である、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)伊邪那美命(いざなみのみこと)や天照大御神がより重要視され、現在、造化の神々を主祭神とする神社は明日香村の飛鳥坐神社、御所市の高天彦神社、今回参拝に訪れた大和高田市の天神社など奈良県内にも数える程しか残っていません。
この日本神話の最も古い神々を氏神として代々祀ってきたのが、大和武士の有力者『当麻高田氏』です。当麻高田氏は中将姫伝説で名高い葛城市の当麻寺を建立した、用明天皇の皇子で厩戸王(聖徳太子)の弟を始まりとする古代豪族当麻氏の末裔です。このお話は織田信長や豊臣秀吉の時代まで続きますが今日はここまで、拝殿にて玉串奉奠に移りましょう。
生徒たちとの参拝は昨年に続き二回目ですが、参加者はさらに増え、拝殿に一杯の生徒たちを前に『玉串奉奠』は卒業式以上の緊張感、榊(さかき)を持つ手が震えそうです。最後は二礼二拍手一礼、何とか無事にこなせました。いつもは静かな境内ですが、今日は『十日戎』初恵比寿の祭礼で大変賑やかです。皆々様にも『福』来る一年となりますように!
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古代豪族の末裔・当麻高田氏の天神社
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