2018/07/31
夏季特別講義・キャリアデザイン説明会『医療介護福祉』専門学校
医療介護福祉・三療法士と介護福祉士
毎日暑いですね。雨にも負けず風にも負けず雪にも夏の暑さにも負けぬと詠んだ、有名な作家がおられますが、この猛暑には負けるでしょう。私の名前はこの作家からもらっていますが、完全に名前負けです。さて、奈良甘樫高等学院・広域通信制高校慶風高等学校奈良サポートでは専門学校の先生にご来校いただいて、医療・介護・福祉の仕事と資格免許についてのキャリア教育説明会を行いました。学院が取り組んでいる包括的な進路指導、キャリアデザインゼミの一環です。
この分野は社会的ニーズも高く、高校生の進路として大変魅力的な分野ですが、資格・免許の種類も多く、求められる適性や能力、学ぶ内容やシラバスもそれぞれ異なりますので、ミスマッチな進路を選ぶとたちまち留年や中退の危機に陥いることになります。そこで今回は、PT理学療法士・OT作業療法士・ST言語聴覚士・介護福祉士の四資格についてご説明いただき、医療・リハビリテーション系の資格である三療法士と社会福祉・介護福祉系の資格である介護福祉士の職務内容の違いや資格の位置付けなどについて進路研究を深めました。
ご来校いただいたのは、奈良市高の原の「関西学研医療福祉学院」の先生です。奈良県の養成施設としてはパイオニア的存在で、高い実績を誇る専門学校です。私の奈良市勤務時代の教え子も随分お世話になりました。介護福祉士の資格はこれまでは専門学校等の養成施設を卒業すればすぐに取得することができましたが、2023年度からは卒業後、国家試験を受験して合格しなければ取得できなくなります。2017年度から2022年度までは暫定処置期間として、学校や養成施設を卒業後、五年間介護福祉士として勤務すると取得できますので、現在の高校一年生の世代が暫定期間最後の学年となります。
リハビリテーションの国家資格はやはり難関
一般に資格免許は技術の進歩や高度化に伴い、より細分化され、取得の条件や難易度が上がる傾向にあります。介護福祉士の国家試験合格率は約70%です。高いように見えますが、無資格の状態から受験するには三年以上の実務経験と450時間、6カ月以上の実務者研修の受講と修了が必要です。仕事をしながら研修を受け、かつ国家試験対策の受験勉強をするのは容易な事とは思えません。介護福祉業界は慢性的な人手不足のため、介護助手として無資格、高校新卒でも就職は可能ですが、その後の資格取得や有資格者との給与や処遇待遇の差、未経験による事故リスクをどうしても考えてしまいます。
リハビリテーションの理学療法士と作業療法士、言語聴覚士の三療法士はより専門性が高く、国家試験の受験資格を得るためには、三年以上学び、必要な知識と技術を身につける必要があります。ことに理学療法士は養成課程が四年制大学では医学部の中にあるように、医学や解剖学、生理学といった理系分野の素養や学力が必要不可欠ですので、だれにでもおすすめできる進路資格ではありません。社会のニーズや人気が高いため、大学等の入試倍率が高いのも頭の痛い問題です。
国家資格や専門性の高い資格はやはりハードルも高いのです。各資格免許についての進路研究はまだまだ入口です。これからも様々な機会を設けて研究を重ねていきますので、在校生の皆さん、積極的に参加してくださいね。それにしても明瞭で的確なご説明と見事なプレゼンテーションさすがです。先生まことににありがとうございました。
後書き・学院はまもなく夏季休業に入ります
少数精鋭、真剣勝負!予定時間を大幅に越える真夏の熱闘特別講義となりました。本当にまじめでポジティブな生徒たちです。白熱の特別講義の写真は『学校行事・活動』ページのフォトギャラリーにアップロードしましたので、このページの写真は春の卒業生による進路研究授業・臨床心理学入門の様子と夏休み直前、のんびりムードの授業風景アラカルトです。学院の授業は8月10日までありますので、生徒の皆さん『夏の暑さにも負けぬ』で登校よろしくお願いいたします。
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